社会は俺をクズと呼ぶんだぜ

教習指導員の本音、書きます。

安倍晋三暗殺で湧いてきた日本人の馬鹿なところ

この度ニュース等で報道されている通り、元首相の安倍晋三が暗殺されました。

この報道をめぐって周囲の人が様々な議論を展開していますが、私がTwitterなどを見ている中で、「あーこの人、馬鹿だなぁ」と感じた4つのタイプをお話しします。

 

 

その1『日本は治安が悪くなった』と話す馬鹿

 

 

 

 

こういった発言が事件後に散見されますが、日本の歴史で見れば「銃で人が撃たれた」というのは今に始まったことではありません。

 

暴力団の抗争などで人が撃たれることは今までも定期的にありましたし、何せ2013年には王将の社長が射殺されたこともあります。

 

それらの事件とこの度の元首相暗殺事件は、殺された人の影響力の差はあれど、人が一人射殺されたという事実は過去の事件と変わりません。

 

なので、安倍晋三暗殺事件により日本の治安が悪くなっていると判断するのは言うまでもなく馬鹿だと思います。

 

その2『SPは無能』と話す馬鹿

私は常日頃、自分の身を呈してまで人を守るという並大抵の根性ではできない仕事をこなす警察の方々には敬意を表しています。

そして、警察は安全・平和が当たり前の世界であるために、まずもって褒められる仕事ではなく、事件を防ぐことができなかった結果だけを材料に叩かれることがあります。

 

そう、今回のように。

 

 

 

 

 

このように、警察関係者でもない一般人が、「これは守れた」とか、「一発目で動けた」とか、「SPの不手際だ」とか、結果論でSPを叩いていますが、もしこれで安倍晋三を助けられた場合は、「日本のSPは優秀」とかの呟きで溢れかえることでしょう。

 

このように、助けられたら「有能」、助けられなかったら「無能」という、極端な二元論で警察を評価する一般人は限りなく馬鹿です。

 

今回の事件に関しては、結果的に守れなかったので改善点や反省点については警察関係者の中で議論するべきですが、その場所に居合わせてもいない、ただ命の危険が限りなく少ない風通しの良い場所から「SPは無能」と一般人が首を突っ込むのはお門違いも甚だしいと思います。

 

その3『令和になってからロクなことがない』という馬鹿

 

 

 

 

この手の論は最も馬鹿といっても過言ではありません。

 

「昔はもっとよかった」という、俗にバラ色の回顧と呼ばれたり、過去美化バイアスとも呼ばれる心理学的性質が人間にはあります。

 

この時期になってくると毎年、

「去年はまだそんなに暑くなかった」

「今年の暑さは異常」

という、何のデータを分析して発言しているのか意味不明な言葉が街中に溢れかえります。(実際には年々暑くはなっているようですが、年によっての誤差もあり、長期的な気温上昇は僅かなようです)

 

もちろん、私も人間なので「去年より暑くない?」とか「最近の台風えげつないの多くない?」とは思いますが、口に出す前に過去にも同様のことがあったかどうかを参照します。

 

今回も、「令和が呪われている・・・?」と先程のツイートに疑問を感じ、色々頭の中の年表を遡りましたが、

 

平成は『地下鉄サリン事件』『秋葉原無差別殺傷事件』『東日本大震災』などの事件や災害が起こりましたし、昭和は『五・一五事件』『二・二六事件』『太平洋戦争』などもありました。大正時代に至っては『関東大震災』もありましたし、良いか悪いかは別として参政権も一部の人にしか認められていなかったはずです。

 

それらを踏まえると、決して令和が呪われているわけではないことが分かります。

 

そもそも、令和になってから悪いことばかりではないはずで、きっと良いニュースも山ほどあるはずです。

ただ、人間はネガティブ情報に強い印象付けをしてしまい、そのネガティブな情報を覆すことは容易ではない傾向があるため、悪い印象に捕われてしまうだけです。

 

子供ならまだしも、考えることのできる大人ならば、偏った情報に惑わされずに客観的な事実を基に会話を展開してほしいです。

 

その4『元自衛隊員と報道するのはおかしい』という馬鹿

 

 

 

 

 

 

マスコミが「安倍晋三を射殺したのは元自衛官」というのが、印象操作だとか偏向報道だといっていますが、元自衛隊員が事実なら「元自衛隊員」と報道することの何が悪いのか。

何をもって3年間を「短い」とか「長い」とか、20年前のことを「そんな昔のこと」と言っているのか分かりませんが、自衛隊を退職後目立った経歴がない人間ならば、分かりやすいように「元自衛官」と報道して悪いはずがないだろう。

 

リテラシーのない人間がそれを聞いたときに誤解するような内容すべてが「偏向報道」「印象操作」であるならば、メディアは何も情報を提供できなくなります。

 

結論:人は感情で動く生き物である

以上4つのタイプを私は馬鹿といったが、そう考えること自体はある意味自然です。

「治安悪くなった気がする」「SP無能じゃね?」「令和呪われてない?」など、一時の感情や思い込みとしてそう思うこと自体に否定はしません。

 

ただ、そこから何も考えずに、それを公の場でそのまま発言することが馬鹿だと思います。

ましてや、現場で一所懸命身体を張って仕事をしている警察官などに対して、自身の思い込みや憶測で他人を攻撃するのは論外です。

 

 

人間は感情で動き、思い込みをする生き物です。しかし、それを続けていくと「日本は治安が悪くなった」とか「令和が呪われている」など、事実から遠く離れた結論に行きつき、場は混沌とする。

どこかで、「これは本当にそうだろうか?」と疑いの目を向けて、自身の考えを修正していくことが賢いやり方ではないでしょうか。